私は名監督
小一の二学期のこと、父親の転勤で広島から東京へ転校した私は、なかなか都会の子に馴染めず、夕方にラジオを聴くのを楽しみにしておりました。もちろん、野球です。昭和39年ごろ、試合開始は19時だったと記憶しています。違うかな? その一時間ぐらい前、ラジオ関東(今のアール・エフ・ラジオ日本)の宇井昇アナによる『私は名監督』という番組を欠かさず聴いていたのを思い出します。
これは、ハガキで申し込んだ二人のリスナーが、当日実況される試合の勝敗や点数、先発投手などを推理しあう形式だったと記憶しています。
その中で、すぐに答えが出るのが先発投手です。
当時は、今みたいに規則的なローテーションが確立しておらず、そこからして大きな興味がそそられていました。対戦する両チームには、手の内を明かさないための虚々実々の駆け引きがあり、当て馬(相手投手に応じて変更するための選手・すぐに交代する)なんていうのがあったりして、打線の組み方も含め、試合前からワクワクしたものです。
余計な話ですが、この番組で育った小学生の私は、将来はプロ野球の監督になりたいと思っておりました。
運動オンチなので、選手を飛ばして監督…。なれませんでした。
野球賭博のハンデ師からすれば、先発投手の情報こそが大きな利益を生む金づるです。なので、それを知るために、選手や球団関係者にお近づきになったりしてました。高額な時計をくれたり、もらったり。おそらく、そういう話は業界の常識だったのでありましょう。八百長はやっていないとしても、情報漏えいは確かにあると言うのが。
そこで、変に疑心暗鬼となるよりも、いっそ初めから教えちゃえと「予告先発制度」が始まりました。
パ・リーグが1994年。セ・リーグが2012年から。
しかしながら、それってその筋の人には、余計にありがたいような気がします。変なの。
MLBガーディアンズのオルティス投手が八百長を疑われているんだそうです。
疑惑を呼んだのは、初球の結果に賭ける「マイクロベット」と呼ばれる賭博ですって。「初球がボールもしくは死球になるか」だなんて、キリがありませんね。てか、ストライクならともかくもボールなら簡単ですからね。賭ける方もどうかしている。
なんだかよく分からないけれど、思ってる以上に巨大なマーケットがあるらしい。
どうかしている人は、想像以上に多いのであります。